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2008.07.06

品格

  あるTVで、北京オリンピック柔道日本代表であり日本選手団キャプテンである、 鈴木桂治選手のインタビューが流れていました。オリンピック直前ですから、金メダルのお話かと思いきや、ご自身は「柔道家」 として謙虚さや礼儀を学んだという、人の道に関することを丁寧にお話しされていました。柔道のテクニックや成績のことなどとは関係なく。 さすがに世界の頂点を極めた方の品格だと感じました。
 よく日本の農業業界の問題点は「農家」が主体であることだと言われることがあります。「家」と付く職業人は、 個人的色彩が強すぎることで否定されているようですが、僕はそのようには思いません。農家とか農業法人とか、 そのような形式的なことが問題ではありません。柔道も個人種目ですが、鈴木選手のような柔道家という言葉には立派な品格が伴っています。 農家が個人主義だから悪いのではなく、本来は品格の備わっていた農家が、その品格を失ってしまったことに問題があるのではないでしょうか。 貧すれば鈍するという言葉があります。国の基礎を支えている誇り高き農家が、社会環境の変化や自身の経済的な行き詰まりとともに、 品格まで失ってきたのではないでしょうか。農業の話題になると、いつもテクニック論が先行します。どんな技術で何を作り、 どこへ売ればいくら儲かると・・といった感じの会話です。それが不要とは言いませんが、その前に、 人の道や品格を考えるべきではないのでしょうか。農業であろうとスポーツであろうとに関わらず、人間には常に基礎があるのだと思います。 その基礎は正に謙虚さや礼儀や、あるいは感謝の気持ちなのだと思います。この基礎を理解することなく、 人を欺いてでも勝てば官軍といったビジネスゲームを議論しても、そこには未来はありません。弱い地盤の上に、 長く堅固な建物など建つはずがありません。

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